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第21回:~売るのも気合い、買うのも気合い!~

 ハリーポッター凄いですね。売れてます!!

 昔と違って、全国津々浦々まで(希望すれば)本が仕入れられるので、どこに行っても濃厚ピンクと赤紫色のジャケットが店頭に並んでいます。この一大イベントを盛り上げるために、私のお店でも初日から魔女コスプレでお出迎え。事前に用意したとんがり三角帽子はとても評判が良いですね。レジお嬢さん達中心にかぶってますよ。棚が真上にあるレジは帽子が被れないんですが、そこと比べて魔女帽子を被っているレジの方がハリポタが売れて、イッツ・ミラクル! 
 ときどきオジサマ達に「なんでそんな帽子かぶってんの?」と声をかけられ、「ハリーポッターという本の販促活動なんです」とちょっと照れながら答えると「ああ、ハリーポッターね!そうかぁ、頑張ってねっ」なんて言ってもらえます。“ハリーポッター”と言っただけで納得してもらえるこの知名度は凄いな、と改めて実感。
 私たちスタッフだけでなく、お客様からも「売り場にディスプレイしてある魔女帽子をかぶって本の山の前でし記念写真を撮りたい」と言われたり、カウンターに置いてある“鼻兎”というキャラクターのぬいぐるみ(非売品)に同じような魔女コスプレをさせたら、こちらも写メールで激写されてました。まさにお祭りですね☆
 
 山下の中でも道路脇に面した人通りの多い路面店で特に売れています。チェーンの他のお店から「少し分けてくれ」と連日連絡が入り、本店や仕入れの多い店から本を回しています。専用の荷物の便もあるのですが手続きから到着まで2日はかかるので、たいていは直接取りに来て本を担いでいきます。2冊組のあのボリュームの本を15冊以上かついでニコニコしながらお店に急いで戻る姿は、本屋の肉体労働っぷりを象徴していて天晴れです。
 チェーンといっても、いつもは単独で仕入れをしている各店ですが、こういったBIGタイトルの発売時や新創刊の販促の時などは店長間で連絡を取り合います。
 ハリーポッターの発売日初日は、取次ぎ(本の流通会社)さんも路面店のワゴン販売を手伝ってくれました。お昼過ぎからは各店の様子も見に来てくれて、記念写真をパシャリ。他の山下のお店の様子もデジカメでみせてくれて嬉しかったです。
 
 ハリーポッター位大きなタイトルは本当によく売れます。でも逆にコレだけの本を買うとお客様の購買欲が満足してしまい、本屋さんの売り上げは下がるといった現象もなきにしもあらず。今回はどうですかね? ハリーポッター以外の売り場の担当者は少しプレッシャー…

 私のコミックコーナーでは↑と同じくらい熱い発売がありました。
 鳩山郁子先生の新刊「スパングル」と「ミカセ」(同・青林工藝舎)が2冊同時に8月25日に発売☆
 著者、何年かぶりの新刊本ということで出版社さんも気合入ってます。発売当日には間に合わなかったのですがサイン本を何冊かご用意してくれ、2人かかりで担いでご来店。すごい嬉しかったです!! 頂いたサイン本は、1冊1冊サインの部分を見えるように工夫してお店に出した所、連日大賑わいで問い合わせが殺到中です 
 
 実は私のお手伝いをしてくれる“みどりさん”というスタッフが鳩山先生の大ファンで、ウチの売り場はほぼ年中無休の「鳩山郁子祭り」開催中なんですよ。あまりの熱狂振りが先生のお耳に届き、かつて御本人様もご来店いただいたことがあります。みどりさんは感激のあまり半泣き状態。毎日物凄い数のコミックのパックをしてくれ、陰日なた無く頑張る彼女に、神様からのご褒美☆だと私は感じました。
 
 本屋さんをやっていて思うのですが、作家さんによってファンの方が似ている場合が多いです。服装とか雰囲気とかが作品に合ってるカンジ。趣味趣向で本は読まれるので、同じ作家さんのファンなら服装も似てくるのかも知れません。太田垣晴子ばりに統計を取ってみたいです。
 みどりさんによると、自分の好きな本の発売日には少しお洒落をして本屋さんに行くそうです。何日も発売を心待ちにしていた本の発売日は「ハレの日」であり、お洒落をするのは当然だとか。
 
 え~? え~~? そうなんだ!?(目からウロコ) 
 そ、そうだよね。楽しみにしてるんだもんね。気分は大好きな人とのデートや、お気に入りのバンドのコンサートに行くのと同じだよね。
「本は空気」のような暮らしをしていると、忘れてしまうこの感覚。大切にしたいなと感じました
 
 みなさんはお洒落をして本を買いに行ったことがありますか? 「本を買う」という行為を自ら楽しいイベントにできる本好きさん達に脱帽(魔女帽子だけどね)のセプテンバーです。

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