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連載第6回  3月その1

 キャー、もう三月も終わりそうですよ! 饅頭あっため機も撤去されてるし桜も咲き誇ってます。

‘春の本が出てるわ‘なんて「春になったら苺を摘みに」梨木香歩 新潮社(表紙も中身もすごく素敵でした。)と「大人の本棚 小さな手袋/珈琲挽き」小沼丹 みすず書房(帯に‘庭の木木と小鳥たち、木洩れ陽あふれる散歩道、多くの友。‘云々とあって‘多くの友‘という文句になんだか寂しくなって泣いていたのでした。寒かった、二月)にキャーキャー言ってたのももう一月も前のこととなってしまいました。日記も全然書いてなかったし、恐ろしいことです。
 
 ってな具合でいつの間にか文庫担当就任から一ヶ月過ぎてしまいました。もう「やあ、慣れない仕事でどうしていいんだか」とか言ってる場合でもなくなってきました。なんて、ブックファースト入社の前は文庫担当だったので単なる言い訳なんですけど。いかんせん以前と比べて、取り扱い点数(棚に入ってる本の数)はそう変わらないのに売れる数が違うので急にスピードの速い乗り物(しかもデカイ)に乗せられた感じです。

 とはいえ文庫は毎月必ず新刊がでるため、そのたびに仕切直しができるのでちょっと楽ちん。単行本は三ヶ月くらいはネバろうかな、と思いつつ並べてましたが、文庫は新刊発売日がくると全部とりかえられますからね。などと、わかりやすいこと(新刊やら、「コンセント」田口ランディ幻冬舎文庫やら)にばかりに気をとられていたら、棚や棚前平積の荒れっぷりも目につきはじめてきました。えぇ、文庫こそ、既刊本売ってなんぼですとも! 特に、たっぷり収納量のある店こそ棚の本は大事にしますとも、などとお客さんでも出版社の人とでもなく、閉店後に自分の売場と(もちろん心の中で)会話してます。なんか、背中がこころなしか丸くなってます。

 丸まりついでに、慣れた仕事でもして心を落ち着けようと岩波文庫の欠本など調べていたら、あまりの変化のなさに、新人だった昔、”仕事が追いつかず悔しい気持ちでいっぱいだったあの頃の事”など思い出し、イヤな気分になりました。これからはアルバイトの人に欠本調査はしてもらおうと堅く心に決めました。ビバ社員! 人に仕事をふることも大事な仕事。

 などと、しごく当たり前のことばかりかみしめています。
   
 ちょっと間があいてしまったので仕事感想文でも書いてみようと思ったのですが、長い文章を書く手間(これ書くのに四日くらいかかってます)を考えたら日記書いた方が楽でしたよ! しかも堅い文だしさ。反省です。

 青葉台店開店とかブライアン・ウィルソンとか(来日にあわせて懲りずに「グリンプス」 創元文庫 をつんでみましたよ。これも世界幻想文学大賞受賞作なんですよん)あったのですが、それはいつか、ということで。

 それじゃ、また、でございます。

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