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連載第34回 2月

☆レジにて、お客さんの持ってる本のかわいらしさに釘付け。何だこの本?と思ったら「終戦のローレライ」のカワハギ状態でした。

☆乱丁といった訳ではないのですが、時々、古い文庫本などで、裁断した際にページがくっついたままになってしまってる本というのがあります。バサバサバサとするとページはばらけるのですが、ちょっと触っただけだと、上手いことページが開かないため「ちゃんとした本と取り換えて」なんておっしゃるお客さんも時々いらっしゃいます。そんな時、目の前で「これ、こーするといいんですよ」なんてバサバサバサとページをばらけさせて見せるのですが、なんか、こう、双方共に納得いかない空気が流れるのが、ねぇ~。だましてる訳じゃないんだけど、そんな気持ちになるのです。

2/8(金) 文春文庫新刊、司馬遼太郎本などなどと今月は渋い感じ。おすすめは翻訳物の「ティファーニーで子育てを」。ニューヨークの大金持ちの家の子守の話。 
早川文庫新刊、カート・ヴォネガット「タイムクエイク」が文庫に。「グインサーガ」も有。今月は暦の関係か通常より「グインサーガ」の動きが好調。

単行本では谷川俊太郎の「はるかな国からやってきた」が童話屋より。銀色宇宙表紙がかっこいいです。

2/10(月) 創元文庫新刊、遅れていたジョー・R・ランズデール「モンスター・ドライヴイン」が入荷。表紙が横山えいじで早川文庫かと……モーリス・ルヴェル「夜鳥」は期待高。うしろの解説からして読めない漢字が一杯だ!

文芸文庫は初文庫化の埴谷雄高「死霊1」が入荷。いつもとちょっと装丁が変わると聞いてましたが、黒のグラデーションの色も濃く、死霊の字の縁取りもすごい。
確かに文芸文庫なのだが、なんかすごいぞ感が五割はアップです。

メディアファクトリーからダ・ヴィンチ本がいくつか。大田垣晴子文庫も発売。

2/中旬 いへーい! 風邪第二ラウンドも負けました~。そーいや、最近埃センサーと自分で思ってたくらい、売場でも埃の多いところにいくとクシャン、クシャン、ゲホゲホとしてたのは、体調のせいだったかと思った時はもう遅く、息をするのも苦しく、寝てても治らないので、動けるようになったのを見て病院へ。案の定、気管支炎とのことで薬をもらう。量の多さに気分は老人です。

今回の風邪で、大泉学園のジャズ、青山ブックセンターでの穂村弘トーク会、と久しぶりの肉会(肉を食べる集まり)などと、これがあるから今月は頑張ってきた、ってな予定が全部キャンセル。自分が悪いのだが、何かを呪いつつ布団の中で涙。しかも、今回、苦しくって本も読めないってんだから、風邪はひくものじゃありませんな、と改めて思いました。(本が読めればいいのか?)

という自分に何か訴えているかのような、ちくま文庫の新刊「風邪の効用」野口晴哉はちょっと気になるところ。

2/15(土) 弱ってる時は蕎麦。という訳でもないのですが、新潮文庫「ソバ屋で憩う」に載っている一番近くの店、福田屋に行ってお昼。おそば食べながら晶文社の坪内祐三「雑読系」を開く。なんだか気取ってること。

売場にいても声が出ないので、事務所でミニフェアのパネルなど作る。最近どーにか、イラストレーターなどの機械のソフトが使えるようになってきたので、張り切ってスキャンをしたり、切ったり、貼ったり。って手作業の延長の域を超えてないところが悲しいところ。

とはいえ、まったく売場に出ない訳にもいかず、売上の点検等でちょっとだけレジへ。
思った以上に混雑しているのにたじろぎながら、立っていたのですが、そのちょっとの間に、「東海林さだおフェア」(一度、全部並べてみたかったという理由で開催。リリーフランキーは東海林さだおの昔の絵柄に影響を受けてるに違いないと文春文庫の表紙を見て勝手に確信中)からと「密室本フェア」(有栖川有栖の密室本文庫化記念で並べ中)からとそれぞれまとめ買いをして下さってる方を発見。
お客さんありがとう、風邪ひいてるけど頑張るよ、と心の中で誓う。

2/18(火) 先週、早川の「SFが読みたい」が入荷。それにあわせてフェアをするからと駄々をこねてとうとう西島大介氏のビデオを入手しましたよ!うひょー。
まだ、ランキング以外の本がそろってないのに、早速モニターを用意。キャー動いてる~音出てる~と基本的な事に驚きながら通りかかるアルバイト達を捕まえて、かわいいと言えなどと強要。(昨年の早川フォーラムの時に流れていたアニメーションです。一応、三月中旬まではお借りしているので、近所にこられた際は是非、ごらん下さいませ)

などと、騒いでいたら講談社現代新書の新刊が着。大塚英志の「キャラクター小説の作り方」の表紙もさりげなく西島大介絵でした。

あと、ヴィレッジ文庫の新刊も有。目玉は「itと呼ばれた子」の第二弾「ロストボーイ」、「チョコチップ・クッキーは見ていた」はレシピ付きのおいしいものミステリ、表紙がポップで注目です。

そーいえば、家で「SFが読みたい!」を読んでいたら、ダンナが「俺の知らないレココレを読んでいる」とちょっと色めいてておもしろかったです。

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