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連載第32回  1月その2

〔トラブルトピック〕年末来、ファックス機との相性悪し。事務所で送ろうが、売場で送ろうが、仕入れで送ろうが失敗ばかりなのです。方向を間違うといった超初歩ミスに始まり、書類を流してる最中にガガガ音と共に止まったり、流れたと思ったらピヨピヨ言いながら「失敗してまーす」って何なのさ!注文すんなとでもいいたいのか? などと各所の機械相手に口走り中。

〔今月の文春文庫〕はなんといってもエルロイの「ハリウッド・ノクターン」。しょうがないので(ウソ、売れてるから)先月発売の馳星周「M」もまだまだ隣に並べてます。

〔今月の講談社文芸文庫〕文芸文庫仕様でわかりずらいかもしれませんが「ファウスト」は柴田翔訳の文庫化でございます。あと「朽葉色のショール」小堀杏奴も有。

〔新刊〕慶應大学出版からは「アメリカ文学史」巽孝之著が発売。文学作品の映画の図版などたっぷりで、なんとなく、よく知ってるよ感があります。

〔今月の集英社文庫〕集英社のダンテの「神曲」がとうとう文庫に。一冊五千円だったのが今度は千円。三冊なのは変わらず。解説は元本にもあったので、文庫特典としてエッセイがついてきてます。ちなみに上・松島正一、中・粟津則雄。下・池内紀、寿岳章子。で、集英社文庫ヘリテージシリーズってなんだ?

あとは島田雅彦「自由死刑」に、野口健「落ちこぼれてエベレスト」両方とも表紙の写真がねえ……。

〔今月の光文社文庫〕あ、写真と言えば倉阪鬼一郎「鳩が来る家」。裏表紙見ると黒いぬいぐるみを肩に乗せた写真が。また、井上荒野「グラジオラスの耳」は書き下ろし?と色めいたら、福武からの移動でした。

〔角川ホラー文庫も出てます〕ホラー文庫も、もう十周年。十年たっちまってるだよ……、とちょっと恐怖。(月日の流れの速さにね)で、十周年を記念して、ちょっくらの人も恐怖に怯え中。頭のリボンがビヨンとなっててかわいいですよ。あと、年末に来た陳ビラ、「アドレナリン大噴出」等の文字が週刊誌風に踊ってるのも必見。

〔今月の筑摩文庫〕ギー・ドボール「スペクタクルの社会」が文庫に。半分量を、人文書コーナーに差し入れしたら、アッと言う間に売れた。自分の売場から売れてる訳じゃないのに、調子にのって追加。文庫売場からは青山次郎のエセーとボルヘスが売れてます。今月のヒャッケン先生(字が上手く出ないのでカタカナで)はサラサーテ。

〔今月も岩波文庫〕表紙に絵が入って、現代文庫らしからぬ「忍びの者」。二巻の表紙のニンニンな時の手の組み方、ついやっちゃいますよね。あとは「歌右衛門の疎開」山川静夫、種村季弘「詐欺師の楽園」などと魅惑的なラインナップが。

そーいえば、先月新刊の「サンバガエルの謎」、タイトルのウキウキ感(サンバってだけじゃん!)にだまされて、追加したらば、あんまり動かなかった。反省。

〔今月の早川文庫〕シオドア・スタージョン「きみの血を」の帯に菊地秀行絶賛とあるのですが、もうその文句がある以上、吸血鬼・ヴァンパイヤの文字はいらないのでは?などと余計なお世話を。
教養文庫の「奇妙な論理1」が早川NF文庫に仲間入り。なんとなく、仲間に入ってよかったねと思いました。

〔創元は単行本が〕今月の本好き魅了本は「驚異の発明家の形見函」アレン・カーズワイルでどうでしょうか? 函って字も表紙の博物館臭もそそります。惜しむらくは乾燥に弱い造本でしょうか?(ウチの店の乾燥っぷりがひどいだけか……)

〔ちょっと遅いが集英社すばる大賞〕年末発売恒例のすばる文学賞、今回は三冊刊行。その中でも栗田有紀の「ハミザベス」がとっても気になります。中編のタイトルが「ハミザベス」に「豆姉妹」、そんでアフロ女学生話だなんて……。使われてる語感の素敵さに短歌も読みたいなどと勝手に思ってます。

〔今年もでたよホラーサスペンス大賞〕佐藤ラギ「人形(ギニョル)」が新潮で牧村泉「邪光」は幻冬舎。二作とも表紙が人形。まあ、そうなんだけど、お揃いにしなくてもいいのに。(角川文庫の「呪怨」も顔が怖いですね。)

〔村祭り〕新刊の「鉤爪プレイバック」も好調なソニマガ・ヴィレッジ文庫。1周年記念のフェアが到着しました。ファン感謝品としてメモ本、名刺サイズカレンダー、油取紙、しおりに目録とおまけがたくさんでうれしいフェアです。

しかもプレゼント・キャンペーンの文庫サイズブックカバーやブックマーカーがどっかの雑貨屋で小金があるときに見たら、買っちゃうねってなかわいさ。あっ、ロンドン往復チケットがあたるの? 行きたーい、ロンドンって、私ってば宣伝員か? しかし、これは、お客さまのためのキャンペーン。しょうがないので私もセッセと応募マークを集めて送ろうと思いました。(キャンペーンは今年の年末までだそう、長)


ってなとこで、次回は「マークスの山ようやく出たよ」記などをお送りいたします。
ではまたー。

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