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連載第8回  3月~4月

3月29日(金)
 やっと、新刊出しが楽になったので、フェアの取り換え。文庫は安易に両村上フェア(講談社文庫を中心に)。いつも開催してるようなものですが、まあ、また新学期になりますからね。新入生向けに。
 文芸はこの前出た堀江敏幸氏の書評集「本の音」(晶文社)のブックフェアなど。「本の音」読み途中の私は早速、「イタリア・トスカーナに暮らして」白水社を購入。便利なフェアだと自画自賛。

3月30、31(土、日)
 月末の売上リスト確認してたら、文春文庫、池波正太郎「秘密」が10冊くらい売れてる。前になんでこんなに来てるのか?いいや、並べちゃえと置いた覚えが……。って、ようやく東野圭吾の「秘密」と間違えて注文したことに気づきましたよ。バカね私。よかったよ、売れて。
 3月末で文芸アルバイトのH嬢が退社。本屋荒らしとして次に向かうことに……。ほぼ毎日一緒にいた人が急にいなくなるってのは何度あっても慣れないもんです。さあ、明日から大変だ。

4月1日(月)
 XTCのボックスセット(CD)を真剣に探してこなかったことが原因で旦那とケンカ。折角、休みが一緒なのに別々に出かける羽目に。
 整体→古本→洋服と一通り散財し、うさを晴らして帰ったら、「ジャンプは電車に捨ててきた」と言われ、また、不機嫌、再燃。

4月2日(火)
 そろそろ、江國香織ムック(新潮)の反響が。他の本屋さんはどうでしょうか? いまのところ、やはり「雨水を飲みながら」A.・Kシャルマン(みすず書房)と「ウンベルト・サバ詩集」(これもみすず書房)が問い合わせ多いです。
 本の貸し出しをさせてもらったので中にばっちり店名が入っており、逃げ隠れができないにゃーとムック片手のお客さんがくるたびドキドキ。
 そろそろ村山由佳「遠い背中」(集英社)が売りきれそうでこっちもドキドキ。

4月3日(水)
月の最初と週の前半が重なって、先月後半がウソのような荷物量。心の余裕も取り戻してきたので、ほったらかしがちな棚前平積でも換えようと、岩波、学術、文芸文庫、朝日にチャレンジ。
 最近のスリップと先月データだけで適当に注文。ってこんなんでいいのか?
 ネット注文ができる小学館や講談社の注文はなんだか買い物気分。最後の注文確認画面で合計金額がでてくるのも買い物感強し。
 村上フェアは目新しさ重視なのか、龍エッセイの売れが目立ちます。
 あと、追加でようやく「凶気の桜」ヒキタクニオ(新潮社)が着。必要量に足りるとは到底言えないが、目にするとほっとする。
 
4月4日(木)
 休み。埼玉水族館で「ナイルの秘宝」展を見る。

4月5日(金)
 たまった書類の片付け。今月こそは督促をうけずに事前注文書を送るぞ(って、文庫担当の一番の仕事なのに!)と、ファックスを流しているうちに午後、新刊着。美輪様の新刊「ああ正負の法則」パルコ出版が大量に。
 追加で笠井潔「オイディプス症候群」(光文社)。ずっと綱渡りだったのでこれで安心。
 帰り、朝のアルバイトの皆とおしゃべりしてるうちに渋谷のデパートは閉店。あわてて池袋まで出て明日のストッキングを探す。

4月6日(土)
 三代程前の新潮文庫担当アルバイトの結婚式に参列。
 村上春樹、宮本輝、沢木耕太郎と愛読してた彼女。やっぱり美人はこれを読むんだな、と郊外育ちの私は都会の美人に感動したものでした。まさか結婚式に出席するようになるとは。と感慨ひとしおでした。

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