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連載第13回  5月その3

5月某日と25日
 年輩のお客さんでムギワラ帽の素敵な姿がちらほら確認されてきたので、そろそろムギワラ解禁?と決め込み、帽子かぶって、銀座に映画。しかも一人でゴダール。(「愛の世紀」本好きの胸を打つシーンが何度かでてきます。)
 ちょっと気取りすぎだ、と苦笑もでてきた頃に知り合いにばったり会い、さみしくなったので、バイトのI嬢に電話。
 一緒に旧古河邸のバラを見にゆき、彼女の家におじゃまする。台所の料理本の充実ぶりに圧倒され、この本エッセイコーナーにどう?とか仕事の話を始めてしまう。
 そうそう、棚に宮脇孝雄の「煮たり焼いたり炒めたり」(早川文庫)がなかったので、自慢した後、入手可能か調べたらもう目録落ちしててびっくり。98年初版なのでさもありなん、ですが、気に入ってただけにさみしいことです。
 と、ムギワラ休日を楽しんでたら、25日の浅田次郎氏サイン会にて浅田氏もムギワラ帽で登場。後でこっそり帽子に近寄ってみましたが目のつまったいいムギワラでございましたよ。さすが。

5月某日
 河出新刊、矢川澄子の「アナイス・ニンの少女時代」発見。筑摩文庫の「アナイス・ニン日記」の在庫が何冊かあるので隣に並べようとうろうろ。外文コーナーが本筋でしょうが、他にも並べてみたいとそっと、いろんなとこにさしてみる。
 あと毎日新聞社「書店の大活用術2002年版」も入荷。ずっと噂をきいていたのでようやくでたかといった感が。書皮特集もっとよみたし。

5月某日
「樹上のゆりかご」理論社、”おー装丁かわいいなー”と思ったら荻原規子さんの本じゃないですか。問い合わせもけっこうあるので「追加だしたー?」と担当に確認(小姑魂発動)。なんと、もう版元在庫無しとのこと。ひーさすが。

5月26日
 本の雑誌社「弟の家には本棚がない」吉野朔実入荷、以来高まる短歌熱。
 今更何を?な感もありますが、知ってるのと夢中になるのは違うもんね。と、図書館に行き、角川の短歌雑誌(が雑誌コーナーにあった)や「折々のうた」岩波新書などを高々とつみあげてみる。勉強中の学生にはさまれ、おもしろそうなことだけを拾い読みしてるなんて大人ってすばらしい!
 うーん、自分の店の棚も充実してるといいなーとただ今、物色中。
 担当じゃないのも気楽でまたよし。

5月27日
 遅番と早番を間違えて出社。午前中があいてしまったので「エトワール」(フランスのバレエドキュメンタリー映画)を見にゆく。途中で鼻血がでてきて大いにあせる。
 日がたつにつれ文春文庫椎名誠「とんがらしの誘惑」の帯文句”燃えろピリカラ”がどんどん気になってきてます。
 
5月28日
 新潮文庫新刊入荷「ABC戦争」阿部和重、裏表紙の帯を見ると「ABC戦争」と「公爵夫人邸の午後のパーティー」が一冊になってることを示すため”2in1”とでっかく。おもしろいので引き延ばしてポップにする。CDだと、長くて聞くのが面倒と我が家ではもっぱら不評な2コ1盤ですが文庫だとお得感の方が強いですな。
 待望の「ローマ人文庫」は薄くてびっくり。
 午後スティーヴン・ハンター「最も危険な場所」扶桑社文庫も入荷
 単行本は白水社のアップダイク入荷。今度はハムレットの話。この前でた白水社「食糧棚」ジム・クレイス(「死んでいる」の人)もおもしろそうです。欲望の<卑し系>小説集と帯に。

5月29日
 今日は高村薫がきました! 律儀に30日すぎの入荷予定と案内してましたがすいませんでした。もう到着しましたよ!と、浮き足だって売場移動。どさくさにまぎれ、模倣犯の映画予告ビデオ機をぶんどり、ちゃっかりと「クロエ」コーナー設立。
 

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