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第1回 2002年1月3日

 正月早々、不覚にも風邪をひいてしまった。大晦日まで働いて、少々疲れがでたのかもしれない。久々の連休、寝床で過ごすことになった。

 思えば、1年前の正月、我が身の行く末に不安を抱え、ただただ茫然とふて寝していた。2000年8月、友人と資金を出し合い、小さな書店を開業。2ヶ月足らずで廃業。(この辺の事情は、本の雑誌2001年11月号「僕が本屋をやめたわけ」を読むとわかります。巻頭特集で取り上げられた、半ズボン姿の太っちょな男がなにを隠そうわたくしめでございます。)これからどうしようかな、もう自分で書店をやるなんて身の程知らずなことは懲り々りだし、金も無いし、歳も40を越えたし・・・。とりあえず、正月だからお酒呑んで寝て、それから今後のことは考えよう。完全にダメ男のパターンにはまり込んでいた時、舞い込んできた1通の年賀状。差出人、イナバ。以前、六本木のA書店で働いていた時お世話になった先輩だ。
「明けましておめでとうございます。ナベ、もう1回だけやらないか。」
(僕は姓が渡辺なので、よく人からナベとか、ナベさんとか呼ばれている。)
もう1回だけ、って・・・。妙な響きだ。それから数日後、イナバ氏より連絡が入った。イナバ氏はA書店を辞め、洋書取次会社の仕入れの仕事をしていた。
神田に、小さな洋書専門の直営店があり、そこでアルバイトをしないか、という有難い誘いだった。ふたつ返事でOK。2001年1月より早速仕事が始まった。
あれから約1年。あろうことか、六本木に東京ランダムウォークストライプハウス店が'01.12月1日オープンした。

 店長はイナバ、僕は六本木店常駐のアルバイト勤務。35坪程の小さな店。
1F、B1F。洋書半分、和書半分。天井は高い。(以前、ストライプハウス美術館だった空間を借りている。美術館の活動は、現在3Fで、ストライプハウスギャラリーとして引き継がれている。)六本木アマンドの交差点より、芋洗坂を下った左側。六本木と麻布十番の中間ぐらいの場所。まだ、誰も知らない。是非一度、冷やかしにでもお立ち寄り下さい。

 正直、予想していなかった12月1日オープン。出店準備期間、約1ヶ月。昨年のラスト2ヶ月は、なかなかハードであった。

 そんなかんなで、大晦日。仕事納め。簡単な打ち上げ後、帰路へつくも悪寒。案の定、元旦より寝込むことになる。しかし、食欲は衰えることはない。店は3日まで休みなのが、何よりの慰め。なにせ、常駐2人でやりくりしているので、風邪ごときで休むこともできない。1人が休むと、食事はおろか、トイレに行くこともままならない。今日中に絶対治す!気合いを入れ、これからまた寝ます。

 2002年、厳しい年になりそうですが、ワールドカップも開催されることだし、サッカーにあやかって、東京ランダムウォークも世界で通用する書店を目指します。やっぱり夢は大きく持たなきゃ。
・・・苦しまぎれに言い聞かせつつ、明日からも頑張ろう!

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