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連載第30回  12月その2

 雨・雪のせいか出足の鈍かった12月前半、でしたが、後半になってようやくいつもの年末らしい客足になってまいりました。
しかし、前半ののんびりムードが災いしたか、第三週の荷物量を見て、ターリーナーイーと悲鳴。そこからは朦朧としているのですが、年末年始乗り切れるかな?私……。

ということで、12月の新刊もたくさん入ってきているのですが、何がなにやら、あーあれもでたの? これもでたの?と家の近所の本屋で見つけてるのですからダメ店員。

見つけたモノとしては安達哲「バカ姉妹 2」(講談社)と倉田江美「続 お父さんは急がない」(小学館)漆原友紀「蟲師 3」(講談社)って、そうです、12月の児童書・コミック売場なんて店員として近寄りたくない場所1位!ですわよ。問い合わせに、プレゼント包装の嵐。通りすがっただけで通常の三倍量のスピードを要される恐ろしい場所なのです。
などと言っていたら、いつのまにかブックファーストの五階児童書売場にはチェコのモグラアニメ「クルテク」グッズが入荷。欲しかったカエルぬいぐるみはアッという間に売り切れてしまったとのこと。チェッ。

そうそう倉田江美「お父さんは急がない」はNHKの朝の連ドラ化希望。日本棋院会館などが出てくるのですが、ヒカルの人たちもいる場所とは思えないゆるやかさ。

12/17(火)浦和美園の倉庫行。またもや新規出店のため検品に。今回は行きたくてというよりも星回り、みたいな感じで仕方なく。昨日の検品組の情報でまたも吹きっさらしと聞いて行ったのですが、着いたらドアが閉まっていました。「あっ、ドアあったんだ……」と絶句している昨日も検品組を見て、バカだ……と思ったのは言うまでもありません。
 
で、この日は夕方、野間文芸賞の授賞式見学案内を頂いていたので、帝国ホテルへ。
着替えて、顔を洗って一応お化粧などするもいかんせん、一日倉庫のよれよれ具合は隠せるハズもなく、会場の外にいる夜のお姉さんのきらびやかさに圧倒されつつ見学。
この日の受賞は野間文芸賞が高井有一氏、新人賞が佐川光晴氏と若合春侑氏でした。
スピーチによると若合さんは来年から大学三年生だそうです。國學院ならウチでバイトを!とバカなことを考えつつビックカメラによって(ゼルダを買いに)から帰宅。

(ビックカメラのゲーム売場は大混雑、ゲームソフトを何本も握りしめたお客さんが列にたくさんで、うらやましい。ちょっとだけレジ係を体験してみたかった。)

12/某仕事の忙しさから逃避するために買った「ゼルダの冒険」。これのためにようやくマリオも終わらせ(やればできたよ)、読まなきゃならん本(別になきゃならんこともないのですけどね。)も読み、風邪も無理矢理のど飴で押さえ、万全の姿勢でのぞんだのですが、買って数日、テレビが壊れました。長いコントだよな。

☆長嶋有「タンノイのエジンバラ」文藝春秋。表紙絵が高野文子でもうっ、なんてしてたら大きな思い違いが二つ。1、同じ年の作家と思っていたら72年生まれでちょっと違った。2、題名が「楽しいエジンバラ」じゃなかった。読むまでずっと思ってたよ。

で、行っているのはイギリスではなくバルセロナ。コビーちゃんのことが出てきてて嬉しかった。

☆11/30締切でしたが集英社文庫では北方謙三セレクション「男の小物」プレゼントを開催していた模様。ワイルド・ターキー12年ボトルにサイン入り。ってこれっていつものことなんですか?

☆エミール・ゾラ「ボヌール・デ・ダム百貨店」論創社、ちょっと高くて分厚い本ですが、なんと百貨店小説。素敵。

12/21.22.23一年で一番忙しい日はクリスマス前の週末。無理矢理三連休政策以来、三日間大変なのが当たり前になってしまいました。

近年は私も社員っぷりも板についてきたので、忙しい時も自分が走り廻るでなく、なんか大変な事のフォローをするのが仕事。
やりづらい包装(チボー家全巻とか)、外国語を話す人の問い合わせ(メモリーズオブゲイシャどこ?なんで二冊なの?これ同じ本なわけ?などといった……)、などなど。大変ではないけれど、スピードを要されるので余裕はどんどんなくなっていきます。なもんだから、「来年の大河ドラマ・宮本武蔵のノベライズ版はどこですか?」とバイトに聞かれたりすると簡単に怒るようにも……。

ちょっと余裕なさすぎと反省しつつも「あれがないのはちょっと、ストック増やせば?
」などと追い打ちをかけてくる人もいてなんだかなーなどと。
しょんぼりしながら抱えたトラブルの解消のため、出社前に池袋に。池袋の本屋をウロウロしながら、あの売場もこの売場もちょっとヨレヨレ……と大変なのは自分だけじゃないのよね、と勝手に思いこみ、少し元気になりました。

12/25(火)新潮社「求愛瞳孔反射」の発売記念ツアーで穂村弘さんが来店。またまたサイン本を作ってもらいました。ようやくクリスマスな気分。

この詩集は本文もですが、あとがきが素敵です。

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