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連載第52回

5/下旬その1『ピープス氏の秘められた日記』岩波新書アンコール復刊。「秘められた」とあるとどきどきしますが17世紀イギリス紳士の生活の本だそう。

中公文庫の復刊チームは売れ行き好調です。正直なことを言うと、復刊本だけ欲しいです。が、二人(掘り出し本の人)はセットだしなぁ。って、何のことかおわかりにならない方はぜひ店頭へ。今期の中公文庫売れろ作戦の一環で復刊・掘り出し本コーナーが出来ているのです。

で、別にその復刊チームではありませんが中公文庫新刊の『読書術』エミール・ファゲ著も高級装丁で素敵な感じ。目次に「読書の敵」「難解な作家・悪作家」「ゆっくり読むこと」等々あります。

筑摩書房からはクラフト・エヴィングの新刊『テーブルの上のファーブル』。なんかまたわけわからん本がでましたよ。何故か岸本佐知子さんの翻訳秘術文が載ってます。
キルビル2を見てから読んだので、一層楽しめました。ところで、書店員の最高の技っていったら、やっぱり手をかざして念を込めると内容が理解できる、とかなんでしょうか?修行ツライのかな。

河出からは内藤ルネ先生の『こんにちは!マドモアゼル』。昔の女子おしゃれアイデア等のまとめ本です。頭に折り鶴つけてますよ!ってそういう楽しみ方の本じゃあないですね。もっと乙女心を楽しむための本だと思います。あとがきが‘今’なのが素敵です。

 講談社からもいろいろ。『レモン・ドロップス』石井睦美。やっぱり今気になるのはヤングアダルト向け小説だわん、と思ってたら、後ろのそでに中学・高校生向け作品リストがついてました。商売上手、いえいえ、読者のことを考えて作っているな、と思いました。
 『恋水』山咲千里は高級壁紙装丁。蛇皮風とかの紙もそのうち出るといいなぁ。これは読んでキレイになれる小説集とのこと。実際どうかはお試しあれ。(適当紹介風)

 で、5月の大本命は伊坂幸太郎の『チルドレン』(講談社)。発売日からよく売れてました。楽しみにしているファンの多さ、もしくは注目度の高さを計る指標にしているのが到着した日の売れ行きなんですが、これがすごかった。もちろん、伊坂幸太郎だし、読んでて素敵な短編集だし、などと手に入れた事前情報でこちらも売る気になってはいましたが、そんな意図など軽く吹き飛ばすような売れっぷり。思った以上に人気です。

 と、5月新刊でこれまた楽しみにしていたのは竹内真『自転車少年記』(新潮社)。「少年成長記ロードレーサー編」とへらっと書くには長い二段組400ページ強。読み終わりましたが、もっと読んでいたいような小説です。ちょっと気は早いですが、夏休みのお供にぴったりだと思います。

〔ハワイフェア報告〕マガジンハウス「クーネル」最新号にあわせてハワイ特集。いえ、あわせてではなくかこつけて。もうハワイ行きたくってたまらんのですよ。某安いで有名な旅行会社の底値では約5万ですよ、なんで飛行機に乗ってないかな私?ってな盛り上がりを無駄にはすまいとハワイフェアを行いました。

文芸フロアなのでガイドブックではないハワイ本を中心に。歴史に妖怪本、それからズッコケ3人組などなど。定番の池澤夏樹『ハワイイ紀行』(新潮文庫)はもちろんですが、いろいろ売れて嬉しい限り。これでちょっと満足するんだから簡単なものです。(ちなみに次はコニー・ウィルス『犬は勘定に入れません』に盛り上がって、ヴィクトリア朝うっとりフェア。コミックの『エマ』も売る。6/15~7/15くらいまで開催中)

なんてことはともかく、「クーネル」といえば!さあ、もうパブロフ状態になりましたよ、ビバ雑誌ライフ。連載が楽しみだからこそ、発売日が待ち遠しかったりするもんですよ。そんな訳で発売日に「クーネル」を手に取り、広げるのは最後のページ。
今月は誰のエッセーだ? ってないじゃん!!!!!そんなーー。(泣きながら下手フェイドアウト)


5/下旬その2角川よりウィリアム・ギブスンの新刊『パターン・レコグニション』が入荷。さすがに初日の減りが早く、つられて私も購入。クールハンターってなんじゃらほい?とポケポケ付いていったら、すごい所につれてかれちゃったよ、というような本でした(これも二段組だ)。ちなみにソニックユースの新譜の『ソニック・ナース』にテーマ曲が収録。♪私はクールハンター~とキム・ゴードンが歌ってます。

あと同じく角川よりダン・ブラウン(ダン・シモンズと間違えやすい)の『ダ・ヴィンチ・コード上・下』が入荷。この本のことは次回また。

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